Huiying Xu, Kei Muto, Junichiro Yamaguchi, Cunyuan Zhao, Djamaladdin G Musaev, and Kenichiro Itami
J. Am. Chem. Soc. 2014, Accepted Manuscript. DOI: 10.1021/ja5071174
我々は以前ニッケル触媒を用いたアゾール類とフェノール誘導体とのC–H/C–Oカップリングを開発し、想定中間体の単離、速度論実験を通して機構解明研究を報告した(J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 169; J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 16384)。前回の機構解明研究では主にC–O結合活性化のステップを明らかにしたが、C–H結合活性化ステップの理解は十分ではなかった。今回、計算化学と実験化学の両面からC–H結合活性化のステップを詳細に研究した。その結果、塩基として用いているCs2CO3が触媒サイクル中間体Ar–Ni–(OPiv)とクラスター形成することが鍵であり、アゾールのC–H結合ニッケル化の活性化エネルギーを下げていることがわかった。
なお本研究は、アメリカ、Emory大学Musaev教授との共同研究である。