Marc Steinmetz, Kirika Ueda, Stefan Grimme, Junichiro Yamaguchi, Sylvia Kirchberg, Kenichiro Itami, and Armido Studer
Chem. Asian J. 2012, Early View. DOI: 10.1002/asia.201101011
4-フェニル誘導体と5-フェニル誘導体を形成するため、アリール(ビピリジル)パラジウム錯体と2-エチルチオフェンまたは2-クロロチオフェンとの直接フェニル化反応において、様々なルイス酸を添加剤として用いた化学量論的な検討を行った。この検討結果から、カチオン性パラジウム種を経由 して反応が進行することと、対アニオンが位置選択性の鍵であるということが示唆された。またDFT計算において、求電子パラジウム化ではなくカルボパラデーションを経由したC–C結合形成の関与を支持する結果が得られ、チオフェンのアリール化反応における位置選択性の発現を明らかにする手がかりとなっ た。