Kenta Kato, Yasutomo Segawa, Lawrence T. Scott, and Kenichiro Itami
Chem. Asian J., 2015, Early View DOI: 10.1002/asia.201500560
7員環は、ナノカーボンに負の曲率を付与し、3次元的に広がる多彩な構造構築を可能にするため、効率的かつ汎用的な7員環生成法が広く求められている。我々はすでにコラニュレン周りに7員環を5つ有する芳香族炭化水素『ワープドナノグラフェン(WNG)』の合成を報告している。今回我々は、WNGの合成中間体を2種類単離することに成功し、WNG合成反応において7員環が予想よりも早い段階で生成していることを明らかにした。単離した2種の化合物はいずれも7員環をもつ湾曲π共役化合物であり、結晶において湾曲面同士が密に接する新たなスタッキング様式が見られた。