Katsuma Matsui, Yasutomo Segawa, and Kenichiro Itami
J. Am. Chem. Soc. 2014, Accepted Manuscript. DOI: 10.1021/ja509880v
3種のカーボンナノケージ
我々が2012年に報告したカーボンナノケージは、ベンゼン環のみからなる初めてのカゴ状化合物であり、歪み・対称性・内部空間が作る新たな性質に興味がもたれている。今回我々は、3種類の大きさのカーボンナノケージの作り分けに成功し、それらを系統的に調べることによって、構造と光物性のサイズ依存性を明らかにした。サイズが大きくなるほど吸収波長が長波長シフトするのに対し、蛍光発光波長が短波長シフトするという特異な現象を観測した。また、最も小さなカーボンナノケージの単結晶X線構造解析に成功し、ケージの空隙が一次元チャネルを形成していることを見出した。