Reversible modulation of circadian time with chronophotopharmacology
Dušan Kolarski, Carla Miró-Vinyals, Akiko Sugiyama, Ashutosh Srivastava, Daisuke Ono, Yoshiko Nagai, Mui Iida, Kenichiro Itami, Florence Tama, Wiktor Szymanski, Tsuyoshi Hirota, Ben L. Feringa
Nature Commun. 2021, 12, 3164.
概日時計は、1日の生理学的プロセスのリズムを制御している。しかし、このシステムは全身に存在するため、小分子を用いた局所的な制御は困難である。光応答性の時計調節因子があれば、光を生体直交の外部刺激として用いて、概日リズムを正確かつ可逆的に調節することができる。今回我々は、巧みな分子設計と光薬理学的手法を用いて、細胞や組織の概日リズムの周期と位相を可視光で可逆的に制御するカゼインキナーゼI(CKI)阻害剤を開発した。この光スイッチング阻害剤の暗色時の異性体は、CKIαおよびCKIδアイソフォームに対してほぼ同一の親和性を示すが、可視光を照射するとCKIδに対する選択性が高くなることから、周期の制御にはCKIδがより重要であることが明らかになった。今回の研究により、細胞内のCKI活性を数日間にわたって長期的に制御することが可能となり、chronophotopharmacologyの手法によって数時間周期の概日リズムを可逆的に調節可能であることが示された。
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