Shuya Yamada, Kei Murakami, and Kenichiro Itami
Org. Lett. 2016, 18, 2415–2418. doi: 10.1021/acs.orglett.6b00932
ピリジンは様々な天然物や医農薬に広く見られる骨格であり、自在官能基化の開発は重要な意義をもつ。今回我々はPd触媒を用いたピリジンとベンゾオキサゾールのC–H/C–H酸化的クロスカップリング反応の開発に成功した。本反応では機能性酸化剤として有機ハロゲン化物を用いている。特筆すべきことに、酸化剤を適切に選択することでカップリングの反応位置の制御が可能となった。かさ高い臭化メシチレンではC3位選択的に、臭化ベンジルを用いるとC2位選択的に対応するアゾリルピリジンを与えた。ピリジンのC–Hアリール化の位置選択性を酸化剤により制御した世界初の例であり、本研究の与えるインパクトは大きい。