Yusuke Nakanishi, Haruka Omachi, Sanae Matsuura, Yasumitsu Miyata, Ryo Kitaura, Yasutomo Segawa, Kenichiro Itami and Hisanori Shinohara
Angew. Chem. Int. Ed. 2013, Early View DOI: 10.1002/anie.201311268
金属内包フラーレンは電子デバイスや造影剤など幅広い応用が期待される一方で、フラーレン混合物からの精製が困難であることが多い。今回我々は同研究科物理化学研究室との共同研究によって、ベンゼン環11個からなる大環状化合物[11]CPPが金属内包フラーレンを選択的に捕捉できることを見出した。アーク放電によって合成したフラーレン混合物を[11]CPPのトルエン溶液によって抽出することで、Gd@C82@[11]CPPという3層構造体が選択的に得られた。これは金属内包フラーレンの「大きさ」と「電子状態」の両方を識別した抽出法であり、様々な金属内包フラーレンの精製や未知の金属内包フラーレンの単離への応用が期待できる。