Hiroko Takaba, Haruka Omachi, Yosuke Yamamoto, Jean Bouffard, Kenichiro Itami, Angew. Chem. Int. Ed, 2009, ASAP
DOI: 10.1002/anie.200902617
”最短カーボンナノチューブ”シクロパラフェニレンの完全化学合成の達成
シクロパラフェニレンはベンゼンをパラ位で環状につなげただけのシンプルで美しい有機化合物である。「最も短いカーボンナノチューブ」でもあることから、太さと長さが明確に決まった「純正カーボンナノチューブ」の完全化学合成の道を拓く、潜在的合成ビルディングブロックである。これほどシンプルな構造でありながら、75年以上にわたって、有機化学者の挑戦をことごとく退けてきた分子としても有名であった。今回、独自の戦略によって、市販の試薬からわずか6段階で、ベンゼン環12個からなる[12]シクロパラフェニレンを選択的に合成する新しい方法論の開発に成功した。
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