Kyohei Ozaki, Hua Zhang, Hideto Ito, Aiwen Lei, and Kenichiro Itami
Chem. Sci. 2013, 4, 3416–3420, DOI: 10.1039/C3SC51447A
Pd/Cu/Ag触媒系によるインドールからカルバゾールへの一段階π拡張反応
カルバゾールは、生物活性天然物や医農薬化合物に広く見られる基本骨格の一 つである。そのため、効率的かつ直接的なカルバゾール骨格構築法の開発は有用 天然物や医農薬化合物への迅速なアクセスを可能にするのみならず、生物学的研 究を加速させることにもつながる。今回我々は入手容易なインドール類をテンプ レートに用いた直接π共役拡張反応の開発に成功した。種々検討した結果、適切 なPd触媒、酸化剤、添加剤の 存在下、インドールに対しオレフィンをπ拡張2炭 素ユニットとして用いることで一挙にカルバゾール骨格を構築することができる ことがわかった。本反応は 様々なオレフィンの組み合わせによって多置換カル バゾールを位置選択的に合成可能であり、反応機構的にも合成化学的にも極めて 興味深い。