Yutaro Saito, Kotono Yamanoue, Yasutomo Segawa,* and Kenichiro Itami*
Chem 2020, DOI: 10.1016/j.chempr.2020.02.004
天然物、医薬品、π共役系などの複雑な分子のC–H機能化は、有機分子の構築と修飾の中心であり、選択性と予測可能性が最も重要である。 今回我々は、ジホスフィン配位子を有するイリジウム錯体を触媒とした、種々の1,2-2置換ベンゼン誘導体の選択的なC–Hホウ素化を報告した。 この方法により、15個のストリキニーネ誘導体の迅速合成に成功し、さらに様々な縮合π共役系(キサンテン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン誘導体)および医薬品(ニフェジピン)のC-Hホウ素化を達成した。これらは全て、かさ高い置換基から最も離れたC-H部位で反応が進行しており、遠隔置換基の立体障害が影響していることを示唆している。