本研究では、カーボンナノリングに他の大環状分子をキーホルダーのようにぶら下げることで、カーボンナノリングの新たな固定化・修飾法を開発しました。九州大学大学院工学研究院の君塚 信夫 教授の研究室との共同研究です。 カーボンナノリングは短いカーボンナノチューブと呼べる構造をもつ分子群で、特異な環状構造に由来したユニークな性質をもつことから機能性材料としての活用が期待されています。カーボンナノリングを応用するためには構造修飾や固定化を行う必要がありますが、その手法は限られていました。また、一般的に行われている共有結合を介した直接修飾や固定化ではカーボンナノリングの構造が変化し、性質を不本意に変化させてしまうという問題がありました。 本研究では、Active Metal Template (AMT)法注という戦略を用いてカテナン構造を形成することで、共有結合を介することなくカーボンナノリングに対し他の大環状分子を簡便に固定化させる手法を開発しました。この手法により、カーボンナノリングの構造を変えずに様々な分子構造をつなぐことができます。また、カテナン構造を活かして金属イオンと相互作用させることにより、カーボンナノリングの示すリン光の長寿命化にも成功しました。 詳しい日本語解説は名古屋大学のプレスリリースを参照ください! 石橋くんをはじめ、多くの人の頑張りが詰まった論文になりました。ぜひご覧ください! * アイキャッチ画像は名古屋大学ITbMの高橋一誠講師に作成いただいたものです。 |