Adamantane Annulation to Arenes: A Strategy for Property Modulation of Aromatic π-Systems
Takaku Yoshihara, Hiroki Shudo, Akiko Yagi*, Kenichiro Itami*
J. Am. Chem. Soc.2023, ASAP. DOI: 10.1021/jacs.3c02788
芳香族分子は多くの医薬品や電子材料に見られる分子群で、他の分子骨格で修飾することでその機能を変化させることができるため、その修飾法は常に開発が求められています。本研究では、アダマンタンという飽和炭化水素を芳香族分子に縮環させる手法を開発し、30種類以上のアダマンタン縮環芳香族分子を合成してその構造的特徴や電子的性質を明らかにしました。その結果、アダマンタン縮環により、芳香族分子の有機溶媒に対する溶解性が劇的に向上することや、通常は不安定なカルボカチオン種が安定化されることを見出しました。
詳しい日本語解説は名古屋大学のプレスリリースを参照ください!
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/upload/20230522_itbm.pdf
吉原くんの2年間の頑張りが詰まった渾身作です。今後は本研究を武器に、sp3混成炭素とsp2混成炭素を精密に組み合わせることで面白いナノカーボン材料を創製することを目指します。
ぜひご覧ください!
* アイキャッチ画像は名古屋大学ITbMの高橋一誠講師に作成いただいたものです。