Asako, T.; Hayashi, W.; Suzuki, S.; Amaike, K.; Itami, K.; Muto, K.; Yamaguchi, J.
Tetrahedron 2017, accepted (Invited contribution). DOI: 10.1016/j.tet.2017.03.095
ピリジンの水素がすべてアリール化されたペンタアリールピリジンは、対称的な美しい構造を有した分子である。しかしながら、アリール基が4つ以上のテトラアリールピリジン、ペンタアリールピリジンは、そのアリール基の置換基の違いにより破格の構造多様性を持ちながらも、ほとんどその特性が知られていない。この原因として、異なるアリール基を自在に導入する合成的手法が少ないことが考えられる。
本研究ではカップリング・環変換反応を応用した、新たなマルチアリールピリジンの合成法を開発した。2,4-ジアリール-5-クロロオキサゾールの合成と、続くケイ皮酸誘導体との[4+2]付加環化反応により、3-ヒドロキシ-2,5,6-トリアリールピリジンとその位置異性体を合成した。ピリジンのC4位のブロモ化とヒドロキシ基のトリフラート化、続く連続的なカップリング反応により、アリール基のすべて異なるペンタアリールピリジンの合成を達成した。
現在早稲田大学山口潤一郎研究室の浅子くんとの共同研究です。おめでとう!