Masakazu Nambo, Yasutomo Segawa, and Kenichiro Itami
J. Am. Chem. Soc. 2011, ASAP. DOI: 10.1021/ja111213k
アジリジノフラーレンを起点とした様々な置換フラーレンの迅速合成
アジリジノフラーレンの実用的な合成法として、銅触媒を用いたC60のアジリジン化反応の開発に成功した。またアジリジノフラーレンは触媒量のトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)存在下で様々なアレーンと反応し、1,4-ジアリールフラーレン誘導体が得られることを見出した。また分子内に2カ所の求核部位をもつ基質を用いると環化生成物が得られた。さらに同条件でアルキンと反応させると、形式的な[2+2]付加環化反応が進行することが明らかとなった。本反応はアジリジノフラーレンから1段階で多様なフラーレン誘導体を迅速に合成できる点で非常に有用な手法である。