Atsushi D. Yamaguchi, Debashis Mandal, Junichiro Yamaguchi, and Kenichiro Itami
Chem. Lett. 2011, 40, 555 -557. DOI: 10.1246/cl.2011.555 Selected as “Editor’s Choice”
Pd触媒を用いた インドール•ピロール類と アジン類のC–H/ C–H直接連結反応/Eudistomin Uの合成
インドール–アジン骨格やピロール–アジン骨格は、生物活性天然物や医農薬化合物に頻繁に見られる”privileged structure”のひとつである。よって、この骨格を効率的かつ直接的に構築する基本的方法論の開発は有用天然物や医農薬化合物への迅速なアクセスを可能にするのみならず、生物学的研究を加速させることにもつながる。これまで、インドール環およびピロール環とアジン環の連結は、対応する有機金属反応剤や有機ハロゲン化物を用いたクロスカップリング反応によって達成されてきたが、より直接的なインドール–アジン骨格やピロール–アジン骨格の構築が現在でも強く望まれている。そこで我々はC–H 結合同士を利用したヘテロ芳香環連結反応の開発に着手した。種々検討した結果、適切なPd触媒、酸化剤、添加物の存在下で、インドール誘導体とピリジンN-オキシドの新規なC–H/C–H直接連結反応が進行することを見出した。本反応はインドール環の3位とピリジンN-オキシドの2位で選択的に進行する。また本反応はピロール誘導体にも適用することが可能であり、反応はインドールの場合と同様ピロール環の3位で選択的に進行する。さらに開発した反応を用いDNA結合活性を有するEudistomin Uの合成にも成功した。
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