Yasutomo Segawa, Petr Šenel, Sanae Matsuura, Haruka Omachi, and Kenichiro Itami
Chem. Lett. 2011, 40, 423–425. DOI: 10.1246/cl.2011.423 Selected as “Editor’s Choice”
[9]シクロパラフェニレンの迅速合成および結晶構造
美しい構造、特異な光物性、カーボンナノチューブの潜在的ビルディングブロックとしての有用性を秘めたシクロパラフェニレン(CPP)について、我々はこれまでに様々な合成法を開発してきた。今回、すでに報告しているニッケル錯体を用いたL字型ユニットのホモカップリング反応によって、1段階で[12]CPP前駆体である環化4量化体が合成されるだけでなく、環化3量化体も同程度生成していることが新たに明らかになった。環化3量化体および[9]CPPのX線結晶構造解析に成功し、[12]CPPの結晶中における結合長と比較することにより、CPPのリングサイズが小さくなるほどキノイド構造の寄与が若干強まることを実験的に初めて観測した。