Stepwise Generation of Mono-, Di-, and Triply-Reduced Warped Nanographenes: Charge-Dependent Aromaticity, Surface Nonequivalence, Swing Distortion and Metal Binding Sites
Sarah N. Spisak, Zheng Zhou, Shuyang Liu, Qi Xu, Zheng Wei, Kenta Kato, Yasutomo Segawa, Kenichiro Itami, Andrey Yu. Rogachev, Marina A. Petrukhina*
Angew. Chem. Int. Ed. 2021, Early View. DOI: 10.1002/anie.202110748
有限の大きさをもつナノグラフェン分子とアルカリ金属との電子的・構造的相互作用は、グラファイト負極などの材料を理解する上で有用な知見である。平面状や正の曲率をもつナノグラフェンについては多くの研究があるものの、負の曲率をもつナノグラフェンは例が限られており十分な知見がなかった。今回我々は、負に湾曲した大きなπ面をもつ分子「ワープナノグラフェン(WNG)」の段階的な化学還元により、3つの異なる還元状態を単離することに成功した。セシウムを用いた還元反応条件において、セシウムの当量を調整し、適切なエーテル配位子を共存させることで、WNGのモノアニオン、ジアニオン、トリアニオンをそれぞれ単結晶として得た。中性および各還元段階によってWNGの曲率が微小に変化することをX線結晶構造解析によって確認した。計算化学的解析により、各還元状態の負電荷は分子中央のコラニュレン部位に多く分布していることを明らかにした。