Yuuki Ishii, Yusuke Nakanishi, Haruka Omachi, Sanae Matsuura, Katsuma Matsui, Hisanori Shinohara, Yasutomo Segawa, and Kenichiro Itami
Chem. Sci. 2012, Accepted Manuscript. DOI: 10.1039/C2SC20343J
シクロパラフェニレン(CPP)は、電子的・構造的に非常にユニークであり現在世界中から注目されている分子である。これまでに我々は、シクロヘキサン骨格を環ひずみ解消ユニットとして用いる戦略により[12],[14],[15],[16]CPPの選択的合成に成功している。今回我々は、同様にシクロヘキサン部位をもった四角形分子および三角形分子を経由することにより、[9],[10],[11],[13]CPPの選択的合成に成功した。我々の合成戦略が非常に応用力に優れていることが示されたとともに、[9]から[16]CPPの選択的合成法が揃ったことで今後のCPP性質解明やカーボンナノチューブ完全化学合成へ向け大いに前進したといえる。