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Regioselective Unsymmetrical Tetraallylation of C60 through Palladium Catalysis

Masakazu Nambo, Atsushi Wakamiya, Shigehiro Yamaguchi and Kenichiro Itami*, J Am. Chem. Soc. 2009, ASAP.

DOI: 10.1021/ja9071173

パラジウム触媒を用いたフラーレンの位置選択的テトラアリル化

フラーレンに対する多重付加反応は、化学・生命科学・材料科学への応用が期待できる様々な多機能性フラーレンを得る有効な手法となる。今回、パラジウム触媒を用いるとC60に対して合成化学的に有用なアリル基が一挙に4つ、非対称な様式で付加し、新奇なキラルフラーレン誘導体が得られることを発見した。すなわち、PdCl2[P(OPh)3]2触媒の存在下でC60にCH2=CHCH2ClとCH2=CHCH2SnBu3を作用させると、テトラアリルフラーレンが高収率かつ位置選択的に得られる。グラムスケールの反応も全く問題なく進行する。反応機構の検討から、(i) テトラアリル化は、bis(pi-allyl)Pdを鍵とする2回の連続する求核的/求電子的アリル化から成ること、(ii) 高い位置選択性は、立体的因子(1回目のジアリル化)と電子的因子(2回目のジアリル化)の絶妙なバランスによって実現されていること、が強く示唆された。この反応によって導入された4つのアリル基は全て化学的に非等価であるため、アリル基の更なる化学変換によって、様々なキラルフラーレンにアクセスできると考えられる。

 

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