Guillaume Povie, Yasutomo Segawa, Taishi Nishihara, Yuhei Miyauchi, and Kenichiro Itami
J. Am. Chem. Soc. 2018, DOI: 10.1021/jacs.8b06842
我々は2017年に世界初のカーボンナノベルトである[12]カーボンナノベルト([12]CNB)の合成を報告している。今回我々は、より太いCNBの合成および性質調査を行なった。結果、[16]CNB、[24]CNBの合成に成功し、またその過程で[12]CNBの合成効率を7倍程度に向上させることができた。得られたCNBはX線結晶構造解析によって構造決定を行い、結晶中ではベルト構造が若干楕円形にひずんでいることを明らかにした。蛍光スペクトルがCNBのサイズにより大きく異なることを観測し、これがHOMOとHOMO–1がCNBサイズによって入れ替わるために起きることを低温(10K)測定やDFT計算によって明らかにした。