Takao Fujikawa, Yasutomo Segawa, and Kenichiro Itami
J. Org. Chem. 2017, ASAP. DOI: 10.1021/acs.joc.7b01540
これまでに我々は、4つのチエニルフェニル基を有するナフタレンに対する分子内酸化的環化反応(Scholl反応)によって、史上最もねじれたナフタレン骨格をもつクアドラプルヘリセンや3次元πスタックによる高いホール輸送能をもつダブルヘリセンを選択的に合成できることを報告している。今回我々は、同じ前駆体に対してさらに強い酸化反応条件を行うことで、分子内に7員環とジチア[6]ヘリセンを併せもつ分子の合成に成功した。7員環周りのひずみが影響することでジチア[6]ヘリセン部位のらせん反転障壁が非常に大きくなることをDFT計算より明らかにした。