Shin Suzuki, Yasutomo Segawa, Kenichiro Itami and Junichiro Yamaguchi
Nature Chem. 2015, Advanced article DOI:10.1038/nchem.2174
多置換ベンゼンを自在につくる
ベンゼンの6つの水素原子を全て芳香族置換基(アリール基)で置換したヘキサアリールベンゼン(HAB:hexaarylbenzene)は、6置換ベンゼンの一種であり、様々な光電子機能性材料となるばかりでなく、近年ではナノグラフェンの前駆体としても注目を集めている。しかし、選択的合成の難しさから、これまで研究されてきたHABは1~2種類のアリール基で置換された対称性の高いものであった。特に、6種類の異なるアリール基で置換された「究極のHAB」はこれまで合成・単離されたことがなく、その物性などは未知のままであった。今回、チオフェン誘導体に対する逐次的なC–Hアリール化続くDiels–Alder反応を経て、6種類のアリール基が異なるHABの合成に成功した。また、高度にアリール化されたアレーン類をプログラムされた様式で合成する手法により、アリール基がすべて異なるヘキサアリールベンゼン、ペンタアリールピリジン、テトラアリールナフタレンの合成にも成功した。
プレスリリース 科学技術振興機構(JST)
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