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Direct Arylation of Polycyclic Aromatic Hydrocarbons through Palladium Catalysis

Kenji Mochida, Katsuaki Kawasumi, Yasutomo Segawa, and Kenichiro Itami

J. Am .Chem .Soc. 2011, ASAP. DOI: 10.1021/ja202975w

Highlighted in Newspapers (Chunichi, The Chemical Daily, Mainichi Communications, Yahoo! News, Goo News, Nanotech Japan)
多環性芳香族炭化水素の直接的π拡張法の開発:新触媒が拓くナノグラフェン合成への道

次世代マテリアルとして脚光を浴びているナノグラフェンを精密に化学合成するボトムアップ型アプローチを提案し、これの実現に不可欠な新反応・新触媒を開発に成功した。我々は、グラフェンの構成単位とみなせる小さな多環性芳香族炭化水素をテンプレートとし、ベンゼン環を順次連結させていくことができれば、精密制御された2次元炭素シートの伸長に基づくナノグラフェンの革新的な合成が達成できると考えた。これは極めて直感的かつ直接的なボトムアップ型アプローチだが、これを実現する触媒や反応剤はこれまで存在しなかった。今回、酢酸パラジウム・オルトクロラニルという触媒を用いると、多環性芳香族炭化水素とアリールボロン酸誘導体のカップリング反応が効率的かつ位置選択的に進行することを発見した。さらに、カップリング反応に続いて塩化鉄を促進剤に用いた酸化を行うと、縮環反応が進行してシート状の化合物へと誘導できる。酢酸パラジウム・オルトクロラニルという新触媒の出現によって、多環性芳香族炭化水素をテンプレートに用いた2次元シートの制御成長が可能になった。ナノグラフェンの精密ボトムアップ合成にむけた大きな一歩といえる。

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