Kenta Kato, Yasutomo Segawa, and Kenichiro Itami
Can. J. Chem. 2016, Just-in article, DOI: 10.1139/cjc-2016-0467
今回我々は、パラジウム触媒による縮環π拡張反応(APEX反応)をコラニュレンに適用することで、1段階高収率でフェナントロ[9,10-a]コラニュレンを合成することに成功した。X線結晶構造解析およびDFT計算より、フェナントロ[9,10-a]コラニュレンの最安定構造はツイスト型ではなくバタフライ型であることを明らかにした。これは類似の化合物であるジベンゾ[g,p]クリセンとは対照的であり、この違いはコラニュレンのボウル状のひずみの有無が原因であると考えられる。