Katsuaki Kawasumi, Kenji Mochida, Tomonori Kajino, Yasutomo Segawa, and Kenichiro Itami
Org. Lett. ASAP. doi: 10.1021/ol203235w
フルオランテンのC–H/C–B, C–H/C–Si, C–H/C–H型直接アリール化反応
多環性芳香族炭化水素(PAH)は有機光電子材料への応用が期待される化合物群であり、PAH誘導体の簡便かつ効率的な合成法への潜在的需要は大きい。
すでに我々はフェナントレンやピレンなどのPAHをPd触媒およびオルトクロラニルの存在下、アリールボロン酸誘導体と反応させることにより、PAHの酸化的直接アリール化反応が効率よく進行することを報告している。今回我々は、同様の触媒系を用いることでフルオランテンを位置選択的にアリール化することに成功した。また、この反応がトリフルオロメタンスルホン酸銀の添加により加速されること、アリールボロン酸誘導体だけでなくアリールシラン誘導体や無置換アレーンもカップリングパートナーとして使用可能であることを明らかにした。