Junichiro Yamaguchi, Kei Muto, and Kenichiro Itami
Eur. J. Org. Chem. 2012, in press. DOI: 10.1002/ejoc.201200914
ニッケル触媒を用いたビアリールカップリング反応(クロスカップリング反応)は数十年前より良く知られている反応である。最近、このニッケル触媒がフェ ノール誘導体との鈴木−宮浦カップリング型反応(C–B/C–O型)、さらには我々を含めた研究グループが芳香感直接連結反応(C–H/C–X型, C–H/C–M型、C–H/C–O型 および脱カルボニル型C–Hカップリング反応)に利用できる事を明らかとした。クロスカップリング反応に頻繁に用いられるパラジウム触媒にないその特異な 反応および性質は合成化学的に再注目を浴びている。この総説では、我々の結果を含めた、ニッケル触媒を用いた最新のビアリールカップリング反応を紹介す る。