Rapid access to polycyclic thiopyrylium compounds from unfunctionalized aromatics by thia-APEX reaction
Kou. P. Kawahara, Hideto Ito,* Kenichiro Itami*
Chem. Commun. 2023, 59, 1157–1160. DOI: 10.1039/D2CC06706D.
Mr. ヘテロAPEXこと川原くんの博士論文第二章となるなる、「Thia-APEX反応によるπ拡張チオピリリウム合成」の論文がChem. Commun.誌に採択されました!おめでとう!
前回の論文では含窒素多環芳香族化合物を合成するAza-APEX反応を開発(Synthesis of Nitrogen‐Containing Polyaromatics by Aza‐Annulative π‐Extension of Unfunctionalized Aromatics
Kou P. Kawahara, Wataru Matsuoka, Hideto Ito*, Kenichiro Itami* Angew. Chem. Int. Ed. 2020, 59, 6383-6388. DOI: 10.1002/anie.201913394 【detail】)しましたが、それに続き硫黄芳香環も制覇しました!
今回我々は、含硫黄多環芳香族化合物であつチオピリリウム骨格を迅速に与える含硫黄縮環π拡張反応(Thia-APEX)を開発した。オルト位にケトン部位をもち、硫黄原子上がイミドイル化されたアレーンチオール類をπ拡張剤として新たに合成し、種々の未官能基化芳香族化合物と反応させたところ、一段階でπ拡張チオピリリウム塩が得られることがわかった。本反応で得られるπ拡張チオピリリウム塩は他の手法では合成困難な縮環構造をもった新規化合物であり、溶液中において多彩な発色を呈した。また、一部の化合物は近赤外領域に吸収と蛍光を示すなどの興味深い光物性が観測された。